麻雀はアメリカには上海から海路で伝えられましたが、日本においてそうであったように、アメリカでも細かなルール変容が生じました。初めは中国におけるルールを厳格に守っていたのですが、徐々に面倒なルールが廃止されたり、アメリカ人の気質に合ったルールが追加されたりするようになったのです。例えばサイド精算や役といったルールはアメリカ人には合いませんでした。他にもチャールストンというルールは早くから導入され、麻雀の本質を変容させることになりました。ただルール変更の経緯については当時の資料が不十分であり、詳しいことは分かっていません。こうした事情はヨーロッパでも同様で、中国式のルールが厳格に適用されている地域はほとんどありません。
ではアメリカにおけるルールとは、一体どのようなものなのでしょうか。統一されたルールはナショナル麻雀連盟が規定するものなので、そちらをご紹介することにしましょう。同規定によれば、アメリカ麻雀は日本の麻雀とも中国の麻雀とも大きく異なります。具体的には、役の数が多く、しかも毎年変化しています。また、牌の種類も多く、花牌やジョーカー牌まで存在します。さらに、チャールストンルールなるものが存在し、開始時に不要牌が交換されます。配牌自体は中国と同様ですが、どのプレーヤーも3つの不要牌を選ばなければならないのです。お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、このチャールストンルールはトランプにヒントを得ています。